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「犬の車いす・乗り心地と製作の裏側!」について、もっと掘り下げ調査しました!

2015年12月24日
『愛犬の友』で連載中
エビ沢キヨミの「いま気になること調べてみました!」より

1月号のテーマ
「犬の車いす・乗り心地と製作の裏側!」について、もっと掘り下げ調査しました! (取材・文・イラスト/ エビ沢キヨミ)



本誌『愛犬の友2016年1月号』での「いま気になること調べてみました!」のテーマは「犬の車いすについて」。犬の車いすオフ会に潜入して、実際に使用しているたくさんのワンコから乗り心地を聞き取り調査したものや、オフ会を共催している、犬用車いすの3メーカーさんに、それぞれの車いすの特徴などについてのお話など、オフ会の写真とともに掲載しています。

取材した3つのメーカーはこちら!
ポチの車いす
アドワークス
わんうぉーく

この3つのメーカーさんに共通していることは、「犬用車いすは、1頭1頭に合わせた完全オーダーメイドでなくてはならない」ということ。すべてのメーカーさんの工房には、「測定車」と呼ばれる、いわゆるお試し用車いすが常備してあります。工房で試乗してもらい、犬の体と車いすとのバランスなどをチェック、しっかりと合うように、細かいカスタマイズを施して、完全オーダーメイドの車いすが出来上がるというシステムです。

WEB版では、本誌に掲載されたお話の続きとして、3メーカーの車いすについて、もっと詳しく写真付きで紹介します!






「ポチの車イス」編

ポチの車いす代表・木口さんは、小さな犬でも快適に乗りこなせるために、最も適した車いすの素材はないかと探し求め、その素材がアルミであるという結論にたどりつきました。ところがこのアルミを曲げる作業がとても大変だったそうで、数えきれないほどの試作用アルミパイプを買っては失敗の繰り返し。ついに奥様から「試作用のアルミパイプ購入で100万円を超えたらもうお金は出せない!」と言われてしまったときに、ようやくアルミの曲げ方を発見。現在の「世界一軽いポチの車イス」ができあがりました。


アルミを使った初期の車いす。この頃はダックス用を作るのが精一杯だったそうです。

 
現在のアルミ製車いす。曲げ方の発見により、1頭1頭に合わせたものができるように。同じ小型犬用でも、見た目がこんなに変わってきます。

曲げ方の発見により、とても軽量に。小型犬だけでなく、大型犬にとっても軽量の方が動きやすく快適だということが判明。また飼い主さんにとっても、車に搭載する場合などに、扱いやすいのでとても喜ばれるそうです。


体にフィットする軽い車いすは、全犬種にとってうれしいこと。


制作中の車いすフレーム。この「曲がり」をだす技術は「ポチの車いす」ならでは。


大型犬用フレームは、重さわずか1kg未満!


◆カスタマイズについて
車いすを必要とするのは、成犬から老犬に限られてはいません。先天性の病などにより、歩けなくなってしまう子犬の場合も。しかし子犬はどんどん成長するので、成長に合わせて車いすも変化させていかなければなりません。成犬の場合も、少し太った、痩せたなどによる調整はその都度必要ですが、子犬の場合は調整以上の変化が必要になってきます。そのような子犬のために、ポチの車イスでは、体が大きくなるにしたがってサイズを変えられるように工夫した車いすを製作しているそうです。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのインディー君もまさにそのケースでした。ポチの車イスに訪れたときは7カ月齢、まだ成長途中です。


シェルターから新しい家族のもとにひきとられたインディー君。頚椎の先天性奇形により、前足が開いてしまい、後ろ足もあまり動かせず、歩けなくなってしまいましたが…。

体の成長に合わせてサイズ変更可能なカスタム車いすで、リハビリ開始!
首を固定するため、あご受けも付いています。

それから10日後、インディー君と飼い主さんが再び「ポチの車いす」を訪れます。車いすに乗るようになってから、急にスイッチが入ったらしく、とてもよく動けるようになったため、より軽く小回りの効く方がよいのではという相談で、さらなるカスタマイズが施されました。


動きが活発になったので、前の補強の部分を取ることに。

インディー君の場合でも、やはり軽量であるが故に、乗っているうちにだんだんと「体の一部」にすることができたようです。インディー君は新しいすてきな家族と、すてきな車いすに出会うことができて元気いっぱいです!


◆車いすを検討されている方へのメッセージ
「車いすは決して最後の手段ではありません。みなさん本当に歩けなくなって連れて来る飼い主さんが多いのですが、なんだか最近衰えてきたなと思ったら、早めに車いすを用意して、ガンガン歩かせた方がリハビリになって、末永く歩いたり走ったりできるんです。車いすを用意するのはいつだろうではなく、今でしょ~! なんです(^ ^)」。
(ポチの車イス代表/木口光儀さん 談)


ポチの車イス
メールで問い合わせ pochinokurumaisu@ezweb.ne.jp





「adoworks(アドワークス)」編

◆adoworks(アドワークス)の特徴
adoworksという名前の由来は、代表の忠さんが20年以上前に飼っていた愛犬、ダックスのアドちゃんからとったもの。アドちゃんはヘルニアを患ってしまったのですが、当時の犬用車いすは鉄製で重たく、前足の負担を増してしまう恐れもあったため、アドちゃんに合った軽い素材の車いすを自作。その製作過程をホームページに掲載していたところ、問い合わせや製作依頼が入るようになったため、adoworksを設立されたそうです。現在は山梨県にある緑の中の工房で、今までに4000台以上の犬用車いすを製作しています。

三角屋根の緑に囲まれた工房。目の前には広々とした試乗スペースが。


ベルト縫製室。


工房内の様子。ここで車いすが製作されます。


工房内にある試乗車タワー。あらゆる大きさ、症状の犬に対応できるよう、およそ70台の試乗車を常備。


◆カスタマイズについて
後ろ足を動かすことができない場合、通常はレッグリングという輪の中に足を通して車いすに乗ります。


レッグリングに後ろ足を通している状態。

しかし後ろ足を下にさげることができない症状の場合は、レッグリングに足を通せないので、通常タイプの車いすに乗ることはできません。下半身麻痺で、後ろ足がカエルの足のように曲がって平らに開いたたままの状態で固まってしまったアメリカン・コッカーのマダちゃんが、adoworksで車いすを製作するために試乗に来たときも、レッグリングに足を通すことができませんでした。


試乗のときのマダちゃん。後ろ足をレッグリングに入れられないため、フレームの上に腰を乗せています。表情も少し不安そうです。

adoworksでは、そんなマダちゃんのために、後ろ足を入れるリングを開閉式にし、さらにフレームから吊るす構造でマダちゃん専用の車いすを製作しました。ハーネスのテストでは、代表・忠さんの愛犬・メープルちゃんに協力してもらったそうです。


マダちゃんのハーネスのテストに協力するメープルちゃん(ダックスMIX)。


完成したマダちゃん専用の車いす。


腰を吊るためのレッグリングの部分アップ。

マダちゃんが車いすに乗るときには、メープルちゃんがテストでしてくれたように、まずハーネスをマダちゃんの腰に取り付けてから、車椅子のフレームと合体します。ハーネスを取り付けて、完成した車いすに乗ったマダちゃんは…。


笑顔で走り出しました!!

2輪(後ろ足用)車椅子を使っているうちに加齢や病気の進行で前足の力が弱くなった場合は、2輪を4輪に改造して、前足の負担も軽減することができるのだそう。カスタマイズは常に容態の変化に合わせて行われているそうです。


◆車いすを検討されている方へのメッセージ
「車椅子を使うと、頼ってしまうと考える飼い主さんもいらっしゃいますが、そのような事はありません。運動をすることにより、ワンちゃんのストレス解消とQOL改善に役立つんです。車椅子を推奨する獣医師さんも多くなってきています。積極的な車椅子の使用をご検討ください」。
(adoworks代表/忠 裕之さん 談)


adoworks(アドワークス)
メールで問い合わせ info@adoworks.com




「わんうぉーく」編

◆わんうぉーくの特徴
車いすを製作している代表の小林さんが車いすを製作するきっかけになったのは、愛犬の前庭疾患による歩行困難な状態でした。車いすが必要になった愛犬のために、より良い介護、介助をめざすべく研究を重ねた結果、犬用車いすは、歩行以外の目的(筋力アップやアンチエイジング)にも大いに役立つことや、同じ車いすでも、調整次第で筋力が使えなくなること、筋力アップすることもできることを発見しました。ご自身の経験を活かした、シニア犬や病気を抱えた犬と暮らす飼い主さんへのきめ細やかなアドバイスには定評があります。


赤い車輪がわんうぉーく製車いすの目印。


動けるワンコはより快適動き回れるように、車輪をハの字にして安定感をだしています。


◆カスタマイズについて
たとえ寝たきりの状態でも、車いすと介護グッズを上手に使いながら楽しく快適に過ごせるようにする、小林さんは自身の経験を最大限に活かして、様々な犬にやさしいカスタマイズをしています。


柴犬MIX、18歳のぴょんぴょんちゃん。前庭疾患と認知と高齢の為まっすぐ立てず、顔も曲がるのでU字クッションを使っています。

車いすを使って立っている姿勢を作ることで、体が「立てている!」と勘違いし、足が1歩1歩動くようになることが多いそうです。さらに「わんうぉーく」オリジナルのカスタマイズが「足袋」!


見た目もかわいい「わんうぉーく」オリジナル足袋。

このように車いすの後ろ側に取り付けます。

足袋を履かせる=足を地面に引きずってしまうのを防ぐため、と思いがちですが、わんうぉーくの足袋の定義は「使える筋力と脳を刺激して筋肉を使うこと」です。後ろ足が弱っている場合、車いすにかわいい足袋を付けて、後ろ足に履かせた状態で車いすに乗ると、足袋内で足を踏ん張ることで肉球を刺激し、その刺激が脳へと伝わり、立てないわんこでも筋肉を使うことがあるそうなのです。

足袋を着用しているところ。

まったく体が動かせなくなってしまった場合には、4脚ともに足袋を履かせて、車いすに乗せて立っている感覚をつかんでもらうリハビリを行います。小脳ヘルニアで4脚が動かなくなってしまったラブラドールのダムちゃんも、ダムちゃんに合わせた最大のカスタマイズ車いすで、風を感じて匂いや流れる景色を楽しめるまでになりました。


小脳ヘルニアで4脚が動かなくなってしまったダムちゃん。専用カスタマイズの車いすでこんなに生き生きとした表情に。

他にも、わんうぉーくのHP内で、様々な症状別のカスタマイズの様子がまとめられています。(カスタマイズの様子はこちら!
たとえ病気になっても、出来る限りのことはしてあげたい、すべての飼い主さんがそう思う気持ちに応えるべく、カスタマイズをされているそうです。


◆車いすを検討されている方へのメッセージ
「弱くなってから使うのではなく、弱くならないためのアンチエイジングや快適に歩ける・過ごせる時間を増やすために、車いすを使っていただければ嬉しいです。寝たきりになってもできることはあるので(ペットロスにならないためにも)後悔が少ない介助・介護の一つに車いすを選んでいただければと思いますが、犬の筋力・状態に合わせた微調整は飼い主様にお願いしていますので、気になる時はそのまま使わずに車いす屋さんに確認してください。(サイズや調整を間違った状態で使っていると状態を悪化させてしまうので…)」。
(わんうぉーく代表/小林知美さん 談)

わんうぉーく
メールで問い合わせ wanwalk123@yahoo.co.jp

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