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決して他人事ではない「狂犬病」 <2>

2012年03月29日
「狂犬病洗浄地域」の現状をこれからも維持できるか?


世界で狂犬病が発生していない国と地域は、日本、台湾、グアム、ハワイ諸島、フィジー、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、アイスランド、スウェーデン、ノルウェー。ほとんどが島国で、狂犬病清浄地域(※1)と呼ばれるのは世界中でたったこれだけしかありません。水際で病気の侵入を防ぐということが、再流行を招かないうえでいかに大切かがおわかりいただけるかと思います。


日本では1950年に「狂犬病予防法」が施行され、飼い犬の登録およびワクチン接種の義務化と、野犬の捕獲を徹底して行いました。狂犬病は犬をしっかりコントロールすると自然となくなっていきます。犬は広い範囲を徘徊する動物で、人に寄っていきやすく、集団を形成する性質の持ち主だからです。ですから、事前のワクチン接種は、感染の可能性を断然少なくしていき、その結果、施行から7年で狂犬病の根絶に成功したのです。


こうして1956年以来、狂犬病は発生していませんでしたが、1970年にネパールを旅行した日本人1名が、2006年にはフィリピンを旅行した日本人2名が、帰国後、狂犬病を発症して死亡するというケースがありました。いずれも海外で旅行中に犬に咬まれたことが判明し、検査により狂犬病ウイルスが検出されました。


先人たちの並々ならぬ努力のおかげで、50年以上にわたって国内由来の狂犬病は発生していません。幸いにも病気の恐怖にさらされていないのですから、現代に生きる私たちがこの病気を身近に感じられないのも致し方ないことだと思います。


しかし、先に挙げた3件の輸入症例のように、何らかの理由で国内に狂犬病ウイルスが持ち込まれる可能性は、どんな時代でも排除できません。現在の防御態勢に少しでもほころびができれば、日常のなかで再び病気の危険と向き合わなければならないということを忘れないでください。


※1 狂犬病清浄地域:厚生労働大臣が指定する、狂犬病が見られない国・地域のこと。



世界の狂犬病発生状況(厚生労働省発表)


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