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決して他人事ではない「狂犬病」 <3>

2012年03月29日
狂犬病のワクチン接種は愛犬、人、社会を守るもの


狂犬病は、ワクチン接種を徹底していれば決して罹りません。発症してしまえば致死率100%という恐ろしい病気ですが、予防によって容易に回避できるわけです。また、もし東南アジアやインドなどを旅行中に狂犬病が疑われる犬に咬まれたとしたら、現地あるいは帰国してからきちんとした治療を受けさえすれば発症は防げます。


正しい知識と情報を知ってもらうために、厚生労働省ではホームページなどを通じて狂犬病に関する情報の告知に努めていますし、空港の入管では検査官が手などに包帯を巻いた人を見かけたらひと声かけるようにしているそうです。


なお、日本の検疫システムでは、以前は犬だけが狂犬病の対象動物でしたが、現在は猫やキツネ、アライグマ、スカンクといった動物まで対象を広げ、監視を強めています。しかし、すべての動物が検疫の対象とはなっておらず、動物が密輸されるケースもあります。また、外国の漁船や貨物船に同乗している犬などが、船から出て日本の港を散歩している不法上陸もあると報告されていますので、決して油断はできません。


狂犬病の発生を防いでいる日本の現状は、世界に誇れることだと思います。これをいつまでも維持していくためには、狂犬病予防法という法律に定められた義務を遵守することがその根幹となります。つまりは市町村に飼い犬を登録し、狂犬病予防ワクチンを毎年1回きちんと接種するということです。


ところが、実際のワクチン接種率(登録頭数に対する注射頭数)は、ペットフード協会統計の飼育頭数1232万頭(2009年)を母数とした場合、40%程度にすぎないということが判明しています。このような低い接種率が続くようでは、一度国内に狂犬病が侵入してしまうと、病気の流行を防ぐことが困難な状況に陥るおそれがあります。犬の予防対策を徹底すれば、人の狂犬病の発生をなくすのが可能であることは、これまで取り組んできた実績が物語っています。


ですから、登録率やワクチン接種率をアップさせる何らかの対策を取ることが急務となっているわけです。日本でもし犬による狂犬病が発生してしまったら、社会の目が犬を悪者扱いすることは容易に想像できます。犬を狂犬病から守ることは、かけがえのない愛犬を守るのと同時に、人を守り、社会を守ることに等しいのです。愛犬家はそれを肝に銘じて、狂犬病に対する正しい理解と予防接種の徹底を心がけてください。

(文・愛犬の友編集部)
<狂犬病の特徴>

◆犬だけでなく人を含めたほとんどのほ乳類が感染する。
◆狂犬病ウイルスは発病動物の唾液中に排出し、咬傷部から次の個体に侵入する。また、皮膚に傷があると発病動物になめられても感染する。
◆ウイルスは神経および唾液腺組織で増殖し、血液あるいは尿中にほとんど出ない。
◆潜伏期間はきわめて不定で長く、平均1~2ヵ月、ときには1年間以上の例もある。
◆潜伏期間中、病原体がどこに潜んでいるかはまったく不明である。したがって、潜伏期間中の本病の診断は発病後数日前を除くとできない。
◆唾液中へのウイルス排出は、一般的に発病する3~5日前から死亡まで持続する。
◆発病すると、多くの場合は極めて悲惨な神経症状を示し、基本的に100%死亡する。
◆世界で流行している狂犬病ウイルスの抗原性状に大きな変化はなく、ワクチンは世界のどの地域で用いても予防および咬傷後接種ともに感染発病阻止手段としてきわめて有効である。

[第4回世界狂犬病デー シンポジウム資料より抜粋]
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